クロスインデックスの通訳・翻訳コーディネーターの雑感
同時通訳のシーズン
[2010/06/28]
私が初めて同時通訳を聞いたのは、ブッシュ大統領がイラク戦争開戦を全世界に伝えるテレビの生放送でした。女性同時通訳者が数人、男性同時通訳者が1名だったように記憶しています。明らかに緊張感に満ちた声。徐々に息が切れ、息も絶え絶え、となってから、次の同時通訳者に交替しました。次の人は、緊張感が移ってしまったのか、最初から苦しそうな硬い声での通訳でした。若干意味不明なところがあったり、間違って言い直したり、ブッシュ大統領の発言に追いつくべく、早口で訳をまとめ、次の発言へ進んでいきました。
これが、「生同通(生放送同時通訳)」と呼ばれているものだと知ったのは、私が通訳コーディネーターになってからのことでした。
このように、海外のニュースを生放送の最中に同時通訳をしていくことも、同時通訳者の大切な業務の一つです。
特に、オリンピックや、今話題のワールドカップがあるシーズンは、生同通は必須です。ワールドカップ関連では、各局で同時通訳者の争奪戦が始まる中、「夜中の3:30から来て頂ける同時通訳者を探していただきたいのですが」という各局のご要望に、クロスインデックスも精一杯の努力でお応えしております。
自分の選択した日本語が、日本全国に向けて発信されるため、大変な負担と覚悟が必要な中、生放送同時通訳者の方々も常にベストを尽くすべく最大限の努力を払っているのです。
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